快適なWi-Fi環境を作るWi-Fiルータの選び方を現役エンジニアの目線から解説。
記事の最後に僕自身も使っているおすすめWi-Fi ルータをご紹介する。
※以前ご紹介した、SSID(2.4GHzと5GHz帯)の使い分け簡単ガイドはこちら
この記事を読んでいただきたい方 ・Wi-Fiルータを買い替えたいけど、何を基準にして選べばいいのかわからない方 ・手っ取り早くおすすめのWi-Fiルータを知りたい方 この記事を読めばこれがわかる ・自分の環境に合わせた適切なWi-Fiルータの選び方 ・評価の高いおすすめWi-Fiルータ
ここだけは押さえたいポイント4つ
Wi-Fiルータを選ぶ上で、迷う原因になるのが、色々な規格の名称や通信速度の表記。
規格の名称については、正式名称だけでもさえややこしいのに、メーカ独自に開発した機能の名称もあったりと、詳しくない方には魔窟状態だろう。
ここでは特定のメーカに依存しない、広く使われているワードを使って、かつわかりやすく解説する。
2.4GHz/5GHz帯両方の電波に対応しているか
まず初めに押さえたいのは、対応している電波の規格。
商品紹介の文言としては、「2.4GHz/5GHz対応」とか「11ac/n/a/g/b対応」と表記されている。
※11ac/n/a/g/bとはWi-Fiの電波の伝送規格。
11ac/a/gは5GHz帯、n/g/bは2.4GHz帯の電波を使っている。
よほど古いルータでない限り、最近の機種はどちらの規格にも対応している。
そのため、そこまで気にする必要はないかもしれないが、古い端末や一部の端末は、5GHz帯のWi-Fiに対応していないこともあるので注意が必要。
実体験として、Amazon Fire Stick TVは非対応だった。
IEEE802.11ac規格に対応しているか
上にも出てきた、ac規格。正式名称はIEEE802.11ac。
こちらも最近のWi-Fiルータであればたいてい対応している。
なぜ押さえたいポイントなのかというと、Wi-Fiの高速通信をするためにこの規格が使われているから。(IEEE802.11acの別称として「Wi-Fi 5」というものがあり、近年の主要規格になっている。ただし、最近はさらに高速規格の「Wi-Fi 6」も主流になってきている。)
動画の視聴やオンラインゲームを快適に利用したいなら、IEEE802.11acへの対応は必須。
MU-MIMO(マルチユーザMIMO)機能があるか
MIMOとは「Multiple Input Multiple Output」の略称。
名前の通り、電波の送受信をマルチ(複数)で行うことによって、通信の高速化を実現する技術。
これをマルチユーザ(複数人)で使えるようにしたものが「MU-MIMO(マルチユーザMIMO)」。
この機能の有無によってWi-Fiルータや端末の性能にもよるが、単純計算で2倍以上の通信速度の高速化が可能。ぜひポイントとして押さえていただきたい。
電波の指向性はWi-Fiルータの設置場所にあっているか
おそらくこのポイントが一番見落としがち。しかも厄介なことにメーカのHPにもあまり記載がない部分。
機種ごとにWi-Fiルータの発する電波には指向性があることを押さえたい。
指向性(しこうせい、directivity)とは、音、電波、光などが空間中に出力されるとき、その強度(単位立体角あたりエネルギー)が方向によって異なる性質である。
指向性 – Wikipedia
ja.wikipedia.org › wiki › 指向性
つまり、Wi-Fiルータを設置する位置と発する電波が重なるようにしないと、性能通りの十分な速度が出ないことがある。
指向性を調整したいのであれば、外部にアンテナがついているものがおすすめ。
用途によっては考慮したいポイント2つ
一般の家庭で使う上では、上記4つのポイントを押さえたWi-Fiルータを導入すれば、十分快適なWi-Fi環境が実現するかと思う。
ここでは、さらに高速なWi-Fi環境を実現したい!という方に向けて、ハイエンドなWi-Fiルータを選ぶ際の2つのポイントを解説する。
メッシュWi-Fi機能があるか
戸建てにお住まいでWi-Fiでカバーしたいエリアが広い方には、メッシュWi-Fi機能のあるものもおすすめ。
メッシュWi-Fiとは、以下の引用にあるように、複数のWi-Fiルータで一つの無線ネットワークを作ることができる機能。
wifiの死角をなくし、家中どこでも途切れない接続を提供するために構築されたシステムです。従来のルーターでは単一のポイントからwifiを送りますが、メッシュシステムでは複数のアクセスポイントを設置することで、より広範囲までwifiを行き渡らせます。
https://www.tp-link.com/jp/mesh-wifi/
よくある無線中継機と同じような機能のように感じるかもしれないが、中継機はただ無線の電波を延長しているだけなのに、対して、メッシュWi-Fi機能は、より複雑な制御によって安定して強いWi-Fi環境を作ることができる。
IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)に対応しているか
さらに高速なWi-Fi環境を実現したいのであれば、最新規格のIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)に対応しているかも押さえたい。
IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)はIEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)の約1.4倍にあたる9.6Gbpsの通信速度を実現している。
ただし、注意して欲しいのは、最新規格ゆえにまだ対応機種が少ないこと。
Wi-Fiルータも比較的高価な上に、対応している端末もiPhoneであれば、iPhone SE(第2世代)以降の機種と新しい機種にしか対応していない。
と、いったようにWi-Fi 6規格はまだまだこなれていないので、通常の用途であればIEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)に対応しているWi-Fiルータで十分だなといった感想。
おすすめWiーFiルータはこれ!
現時点(2021年2月)で僕がおすすめしたいのはこちらのWi-Fiルータ。
実際に僕も4年ほど使ったWi-Fiルータから買い替えたところ。買い替えてからWi-Fiの範囲も速度もかなり快適になった。
おすすめできるポイントとしてはコスパの良さに尽きる。
前半でお伝えした4つのポイントを押さえているのはもちろんのこと、同程度の機能を持っているWi-Fiルータに比較してかなり安い。
Amazonレビューでも高評価が多いことから、僕個人的にも、客観的にもおすすめもWi-Fiルータ。